
竹林をのぞむ川辺の家
竹林をのぞむ川辺の家
住まい手:ご夫婦•猫4匹
竣工:2022年5月
設計•施工:株式会社 増木工務店
土地探し
W様ご夫婦の住まいづくりは土地探しから始まりました。
※今回の計画地が決まるまでのお話は、別の記事【土地探し編】でご紹介しておりますので、そちらをご覧ください。
この土地は、増木工務店がご紹介した土地でした。この土地情報を見つけた時は、とてもワクワクしました。埼玉県や東京都の土地は、庭を作る面積も限られており、そんな中でどうやって周辺環境をつくるか…難しい課題の一つです。
しかし、この土地は敷地に足を踏み入れた瞬間、目の前には竹林が広がっており、歩みを進めると水の音が聞こえてきて川があることに気が付きます。この環境を最大限に活かした家を建築したらきっと楽しい家になると確信し、ご提案した土地でした。
家づくり
この土地にご提案したのは平屋の家。
周辺は2階建てのお家に囲まれいますが、竹林と川のある北側に開いた、ひっそりと佇む住まいをご提案しました。平屋と考えると少しコンパクトですが、竹林の景色が見える1階で暮らしが完結し、一歩外に足を伸ばすための縁側をつくることで外との繋がりが生まれます。リビングで寛いでいる時。料理をしている時。円卓で食事をしている時。「ただいま」と帰って来た時。暮らしのどのシーンからでも竹林をのぞむことができ、心がホッとするように、暮らしの中の視線に配慮しました。
そして、その竹林の景色を切取る北側の大きな窓は、迷わず木製サッシに決めました。木製サッシは、決して安価な商品ではないので、建築予算から断念されることが多い要素ではありますが、窓は本当に必要な所だけに絞りこみ、この住まいの顔となる窓と玄関に採用しました。
外観デザインは、秋田杉の板張りとガルバリム鋼板で、カッコよくも可愛らしく。杉板張りの外壁は木製サッシと調和されるような素材選定にしました。側面•裏面の日頃なかなか目が行き届かない所は、耐久性•メンテナンス性のあるガルバリム鋼板に。
年月を重ねるごとに経年変化していくこの住まいの成長が楽しみです。
住まいの性能と設備
W様が最初のお打ち合わせでおっしゃったのが「暖かい家に住みたい」というご要望でした。
ご実家が夏は暑くて、冬は寒かった。そんな記憶が残っていたW様に私たちがご提案した住まいは、断熱性能 HEAT20 G3グレード(UA値=0.26 / UA値とは…断熱性能を表す指標。数値が低いほど性能が高い)の住まいです。
※HEAT20とは…住宅の断熱に関する設計基準のこと。高気密•高断熱の住まいを建築して、真夏•真冬は全館空調で快適な室内環境に整えて心地よい住空間に。さらに、屋根には太陽光発電システムを搭載してエネルギーの自給自足を目指します。
上図のように、1年を通じて快適な住まいで暮らすことができると、そこで暮らす住まい手さんの体に大きな影響を与えることは様々な研究で発表されています。1年中快適な住環境は、人間だけでなくそこで暮らすペットにも、とても快適な環境です。
この住まいには、生後2ヶ月〜15歳の猫ちゃんまで、4匹の猫ちゃん達が暮らしています。家のどこに居ても同じ温熱環境なので、猫ちゃんたちも自分の居場所を探して快適に暮らしていました。
建築データ
● 敷地面積:154.91m2 (46.86坪)
● 建築面積:64.08m2 (19.38坪) ● 延床面積:98.53m2 (29.80坪)
● 構造:Panasonic テクノストラクチャー工法
● 壁断熱:セルロースファイバー 105㎜ + ネオマフォーム 100㎜
● 屋根断熱:ネオマフォーム 160㎜
● 基礎断熱:ネオマフォーム 100㎜
● 窓:アルス木製サッシ / YKKap APW330
◆断熱性能:HEAT20 G3グレード(UA値:0.26 W/m2K • 竣工測定C値:0.5㎠/m2)
◆耐震性能:耐震等級3 / 許容応力度計算実施
記:2022-09-02 staff•山口