築5年•間仕切り壁を撤去します

築5年の木造ドミノ住宅。

「今の間取りは思い入れもあるし、気に入っているけれど、これからの暮らしを考えた時に南側寝室の壁を壊して広々とした空間にしたら、子ども伸び伸び暮らせるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか?」

5年前の建築当初2ROOM +CLOSET の空間づくりを行いました。当時もたくさん悩んでカタチになった間取りですが、5年間暮らしてみてもっとこうしたら…という思いが生まれた、住まい手Sさま。
木造ドミノ住宅の住まいは、室内の構造体を柱1〜2本のみで構成しているため、間取りが可変できるというのは、この住まいの大きな魅力の1つです。

それからお打合せを行わせていただき、最終的には、寝室の入り口ドアと間仕切り壁約4Mを撤去。元々あるファミリークローゼット•押入れのみを残し、個室は設けず、なんとなく居場所をつくるような空間へ変化させることに決定しました。
当時建築に携わった大工の手により、LGSで立てられた壁の解体が始まります。

こんふうに寝室の壁を撤去し、広いファミリールームに。寝室の壁を撤去することで、北側の空間に光が差し込むようになり、2階の空間全体が明るくなります。
写真を飾ったり、絵本を飾ったりするためのデザイン長押。新築当時、どこに付けようか…バランスはどうか…と、住まい手さんと設計スタッフが何度も検討して取り付けたものです。これは、このまま捨ててはもったいないので、綺麗に取り外して、別の壁へ新たに取り付けることになりました。

ラグを敷いていた床は日焼けをして、5年という月日の味わいがでていました。(上写真)  一方、壁を撤去した部分は想像よりも日焼けの影響はなく驚きました。(下写真)
LGSを床に固定していたビスの後を補修して、米ぬかオイル「キヌカ」を塗ったら完成です。
間仕切り壁の撤去が完了したBefor•Afterはこちら。

階段を昇って来て最初に見える景色は、ガラッと変わりました。とても開放的で明るい空間に。
壁がなくなり、広々とした空間を見たお子さま達は大喜び。早速走り回っていました。デザイン長押も、新たな場所へ取り付けられ、建築時の思い出はそのまま残すことができました。
普通の木造住宅は、室内の間仕切り壁が筋かいなどの構造体力壁となっているケースが多いため、壁を撤去することが難しく、将来間取りを変えるのは簡単なことではありません。
木造ドミノ住宅の場合は、室内の構造体が柱1〜2本のみで構造体力壁はありません。そして、
新築時に床と天井を全て施工してから、LGSの間仕切り壁を建築するため、Sさまご家族のように数年後、壁が不要になった際に壁だけ撤去すれば元の大空間へ戻すことができるのです。

工事を終えた住まい手さんが「将来、もし子ども部屋が必要になったら、またその時考えます!」と笑顔でお話しくださりました。
住まいは、そうあるべきだと私たちも思うのです。最初から3LDK•4LDKである住まいが「良い住まい」なのか。新築時、3LDKであっても、そこで暮らす家族のライフスタイルが変わった時に、その住まい手さんの暮らしに合わせて空間を変えることができる、それが「良い住まい」なんじゃないかと思います。

数ヶ月後、「4Mの間仕切り壁が無くなるだけで、こんなに暮らしが豊かになるのか」と話してくださる住まい手さんの笑顔が浮かびます。私たちは、たくさんの方にもっと暮らしを楽しんいただける住まいづくりを届け続けていきたいと思います。

 

必要な時に、必要な空間を。
それが、木造ドミノ住宅の醍醐味だと思うのです。

 


2021-07-20
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