木のツマミ・彫り師の技術。

2匹の猫と暮らす家へ、扉のツマミを取付させていただきました。
シナの木の丸いツマミ。それだけでも可愛いですが、猫好きの住まい手さんの暮らしがもっと楽しくなるよう木工芸家•富沢麻子さんに、猫の肉球をイメー ジしたデザインで掘り込みをしていただきました。

こちら全て富沢さんによる手彫りで製作されました。1つ1つ丁寧に、球体に掘り込みをする技術に私たちも驚きました。
浮き上がらせた部分を白色で塗装したデザイン。
一見無地に見えますが、よく見るとそれぞれにデザインされた彫り込みが。

どれも肉球をイメージしたデザインですが、それぞれ違ったデザインが彫り込みされ、気分によってツマミを付け替える暮らしの楽しみができました。


そしてもう一つ、引戸の手かけも一緒に製作させていただきました。

こちらはカツラの木の引き手に、猫の足跡が彫り込みされました。
細くて小さな引手の平面だけでなく、角の出隅部分にもデザインが施されたこの技術には感動します。遠目から見れば、1本の木の手かけですが、扉を開けようと近づくと肉球の彫り込みがあることに気が付きます。扉を開けるたび、小さな幸せが。

住まい手さんも、とても喜んで下さり、木工芸家•富沢さんの技術に感動されておりました。よーく見ないと気が付かない、住まい手さんだけが知っているこだわりは、何気ない日常を楽しくしてくれます。


「神は細部に宿る」

ディティールにこだわってこそ、作品の本質が決まる。細かいところにまで気を配らなければいけない。という意味のことわざですが、建築に携わる者として大切にしたい言葉です。
そして、素晴らしい技術をもつ作家さん、職人さんの作品•技術を、建築の仕事を通して1人でも多くの方に伝えていきたいなと思います。つくり手の顔が見えるモノは、愛着が湧き、大切に永く寄り添って暮らしたくなるものだと思います。

 

取り付け作業中、このお家の住まい手の1人•猫ちゃんもキャットウォークからずっと見守っているようでした。


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記事/撮影:スタッフ•やまぐち

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