illustrator 梁川友世

つくりビト

私たちは「つくり手の顔が見えるモノづくり」を大切に、日々住まいづくりや暮らしの発信を行っています。人は、つくり手の顔が見えるモノには自然と愛着が湧き、永く大切にしたくなるものです。

つくり手は、どんな想いを持って日々モノづくりに励むのか。【モノづくり つくりビト 第1弾】をお届けいたします。今回は、私たちの暮らしの発信を一緒にして下さっているイラストレーターの梁川友世さん。

illustrator • 梁川 友世  (やながわ ともよ)

愛知県生まれ。
2004年 京都市立芸術大学 美術学部美術科油画専攻を卒業。
長野県在住。2児の父。

広告物全般、出版物、web、パッケージ、絵本の挿絵などのイラスト制作に携わる。人や動物、自然の関わりを描くことを得意としています。(ホームページより引用)

 


 

− 梁川さんとの出会い 。

梁川さんと私たちの出会いは、2018年11月に完成した「実りある暮らしのまち~新農住コミュニティ野火止台~」の街びらき。お客さまとして私たちの街づくりのご見学に立ち寄ってくださったことがきっかけでした。
たまたま分譲地の近くを通り、その緑の街並みに惹かれて足を運んで下さりました。

梁川さんがイラストレーターと知り、スタッフ一同梁川さんの絵に惚れ込み、数日後−。

「あの街の春夏秋冬を描いてください」

つくり手である私たちは、梁川さんの描く世界感に、自分たちが思いを込めて作ったこの街並みを託してみようと決めました。緑の街は、植物の成長と共に毎日景色が変わるため、春夏秋冬の4部作を描いてもらうことに。

 

 

− 小さな、でもとても素敵なアトリエに訪問。

これまで私たちと同じ埼玉県に住まいながらイラスト制作をしていた梁川さんですが、2020年3月、ご家族で山が近くに見え、自然いっぱいの長野県に移住されると聞き、新農住コミュニティ野火止台のイラストが描かれた埼玉県内のアトリエ兼ご自宅にお邪魔しました。一軒家の1部屋、3帖ほどのスペースが梁川さんのアトリエ。
アトリエにお邪魔して真っ先に驚くのは窓から見える景色。カーテンのない窓の先は、広い敷地に梅の木が何本も立ち並び、たくさんの花を咲かせています。同じ埼玉県でも住む場所を選ぶだけで、こんなに違う風景が見えるんだと感動する風景でした。
梁川さんご自身で手作りされたデスクや棚には、たくさんの色鉛筆やマーカー、絵具が並んでおり、その横に置かれた小さな籠は猫ちゃんの特等席。
のんびりと穏やかな時間が流れている傍らで、天真爛漫という言葉がぴったりのお子さま。梁川さんが描くイラストからそのまま飛び出てきたかのように、明るく、元気いっぱい家中を駆け回る姿に、思わず笑みがこぼれます。そんなお子さまを優しく見守る梁川さんと、奥様。それら全ての空気感が温かく、どこか懐かしさをも感じ、梁川さんの作風とも通ずるものがありました。

 

− 描くことへの思い。

私たちの広告にも大きく掲載した梁川さんのイラストは、一度見た時のインパクトからか、ずっと手元に持っていて下さる方がたくさんいます。見た人の心を引き寄せるイラストのつくり手は、何を思いながら描いているのか聞いてみました。

 

梁川さん
若い頃は自分の世界観を表現して描くようなアーティストになりたいと思っていました。でも絵を描き続けていたら次第に「人の繋がりを大切に、依頼して下さる方に喜んでもらえるようなものを描きたい」と思うようになり、想いをカタチにするイラストレーターになることを決めました。
水彩絵具やカラーインク、マジックペンなど様々な手法で、人や動物、自然との繋がりをメインに描いてきましたが、最近は街並みの風景を描くことが増えてきましたね。絵を描く時は、人物のキャラクターが際立ちすぎないように気をつけて、絵を見て下さった方々に自由に投影してもらえたら…という想いで筆を動かしています。例えば新農住コミュニティ野火止台~春の風景~で言えば…街の中心でミモザリースや巣箱づくりのワークショップを楽しんでいる傍らで、男性陣がピザ窯づくりに励んでいます。これが夏の風景になると…ピザ窯が完成して、みんなでピザパーティーをしいるんですよ。
夏に生まれた赤ちゃんは、冬になるとつかまり立ちをして窓から外を眺めていたり。この絵を見た方々が色々想像しながら楽しんで見てもらえると嬉しいですね。

 


− 作品が完成するまでの道のり。

今やイラストもデジタル化が進み、簡単に色塗りができたり、間違えたら消したりできる便利な時代ですが、そうではなく、あえて大変な道を選んで手書きで描く梁川さんのイラストは、どんな風に描かれているのか。

 

梁川さん
絵を描く時は、真っ白で小さな紙にイメージを描きながら手探りで描き始めます。ぼんやりとしたイメージを少しずつカタチにして詳細を描いていきます。同時に色合わせをしながら、本番の用紙に鉛筆でトレースをして、色を入れていくような流れです。新農住コミュニティ野火止台の絵は、柔らかいタッチにするために、縁取り線をなくしているため色塗りの工程でははみ出しすぎないように塗っていく作業が一番大変でした。色塗りの工程なんかは、デジタルで制作すればはみ出す心配はないし、間違えたら戻ってやり直しができるので楽ですが「依頼して下さった方に喜んでもらいたい」という想いが強いので、やはり私は手書きにこだわり続けていきたいと思っています。

 

− 取材後記。

今は長野県へ移住し、埼玉のアトリエとはまた違った環境で描く梁川さんのイラストは、きっと素敵な作品が生まれ続けることと思います。私たちスタッフも、梁川さんの想いが込められた作品に一瞬で引きつけられた一人です。
私たちの街づくりを通じて出会い、街のイラストを描いて頂けたことは、何かご縁を感じるものもあり心から嬉しく思います。

時短・便利を求める風潮にある時代ですが、それよりも「こだわり」や「喜び」、「やりがい」と向き合うことの楽しさや、大切さを改めて感じる時間でした。移住先、長野県の風景。(梁川さんのinstagramより @tomoyonoe )

 


 

取材協力:Illustrator 梁川友世 (ホームページこちら)
写真•文章:増木の住まいづくりスタッフ  山口•髙木
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【第1弾】illustrator • 梁川友世
【第2弾】masuki sumaizukuri • 髙木恭子

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