Sonoda Family Blog

自分らしく暮らす住まいとは
新農住コミュニティ野火止台での
試行錯誤の記録

間仕切りのない暮らし

私たち夫婦は一緒に歩み出して約15年程の時が経ちます。
最初の頃より「将来どんな家に住みたいか」という話をしたりしました。

当時私は『家』に対して漠然としたイメージしかありませんでした。
一方、夫は「間仕切りのない家に住みたいんだ。空間は棚とか置いて仕切るくらいでいい。」と。こんな家に住みたいと海外の建築家が建てた家の写真も見せてくれました。父親が建築家であるだけに夫の『家』に対する思いは小さい頃から強くあり、その思いも一言では表せないくらい深いものがありました。

しかしこの時、私たちはまだ木造ドミノ住宅というものを知りません。
その頃の日本の建売住宅で間仕切りのない家を私は見た事もなく、現実味がない話のように思えてなりませんでした。

そして今から7年前くらいからでしょうか。
本格的に家を探し始めることにしたのです。
夫婦で建売住宅など見て回りましたが、どの家も「仕切り方に納得いかない」と購入にはつながらず。注文住宅にしても思い描く家を建ててくれるお店を見つけられませんでした。
そうして家探しを始め2年、3年と月日だけが刻々と過ぎ、ゴールが全く見えない状態に陥り私たちは途方に暮れてしまいました。

そんなある日、増木工業のサイトウさんから木造ドミノ住宅というものを教えてもらったのです。最初は「え!?」と困惑。まさか本当にそういうものがあるとは思わず、本当に驚きました。木造ドミノ住宅というものを知れば知るほど、まさに思い描いていた家のスタイルで興奮してしまいました。「これだ!」と。

木造ドミノ住宅は自由に部屋を仕切ることが可能です。その家その家のスタイルに合わせることができるのです。そして我が家はどうしたか、と言うともちろん間仕切りなしです。願望のスタイルの家に出会えたのです。少し話が逸れますが、先日「あしたも、こはるびより。」と「ときをためる暮らし」という本を購入しました。『人生フルーツ』というドキュメンタリー映画の主人公お二人が書かれた本です。

本の中に「ワンルームの丸太小屋」という部分があるのですが、
「普通なら、壁で仕切るところを、『分ける必要がないから』と、しゅういちさんは、ひとつの空間に設えました。」と。
これを読んで感慨無量でした。木造ドミノ住宅にかける我が家の思いと同じだからです。

『家』というものの在り方が我が家にとってどうなるか、というより私たちがどうするかなのです。自らの手で居心地の良い空間を考えていきたいなと改めて思いました。夫婦円満のコツも参考になります。
間仕切りがない分、我が家にとっても家族同士の距離感は大事になってきます。「伝言板の活用」「得意なことを担当」「強要しない」など当たり前のようで意外と難しいことが夫婦間に盛り込まれています。「小春日和が好き」という英子さんの気持ちが暮らしの知恵に繋がっているんですね。50年以上一緒に連れそうご夫婦の姿は本当に素敵です。私たち夫婦の15年という月日を時折長く感じることがありますが、つばたさんご夫婦の半分にも満たずまだまだだと恥ずかしくなってしまいました。私たちもつばたさんご夫婦のように年を重ねていけたらと思いました。